今回は、アンティーク家具の中でも人気の高い「ドローリーフテーブル」についてご紹介します。
使う人数によって天板を広げたり狭めたりできる「拡張式」と言われる使い勝手の良いアンティークダイニングテーブルです。中央のメインの天板の下に、リーフと呼ばれる天板が収納され、リーフを引っ張って広げることから、ドロー(引っ張る)リーフ(葉状のもの)テーブルと言われています。
こちらは、左右のリーフを広げて4人用として使っている様子です。憧れのアンティークスタイルです。アンティークにも使い勝手の良い家具があることを知っていただければと思います。
広げたり狭めたり、テーブルが簡単に伸縮できるのか心配な方に向け、今回はドローリーフテーブルの「使い方」を解説。他にも、ドローリーフテーブルの歴史や、他にもある便利なアンティーク家具をご紹介します。
デザインも材質も多種多様なアンティークダイニングテーブル、実はルネッサンス期の16世紀後半になってようやく食事する目的で生まれました。
一期一会のアンティーク、団欒の中心となり部屋づくりも左右しかねない重要なアイテムです。
サイズなど実用性も考慮して素敵な一点をお選びください。
ドローリーフテーブルの使い方を動画でご紹介
ドローリーフテーブルの広げ方、狭め方を解説している動画です。
2人用のテーブルを4人用に広げることができ、色々なシーンでお使いいただけるドローリーフテーブル。使い方に合わせて、リラックスした時間を過ごすのにオススメなアンティーク家具です。
ドローリーフテーブルの広げ方
ここからは、写真でドローリーフテーブルの広げ方を解説していきます。
普通の家具ではないので、どう扱えればいいのか不安を感じる方もいらっしゃるかもしれません。アンティーク家具ですし、伸縮させるのにチカラやコツが必要だろう、と感じますが、意外と簡単です。
こちらは、左右のリーフが閉まわれている状態です。中央のメインの天板の下にリーフが重なり合っており、少し厚くなっているのがお分かりになるでしょうか。下に重なっている部分が、引き出されるリーフです。リーフを引き出して、2人用から4人用にしてみましょう。以下、大きく3つのステップになります。
リーフの裏面にある「窪みや出っ張り」に、手をかけます。
一般的なドローリーフテーブルには、リーフの裏面に「窪みや出っ張り」が施されており、手が引っかかるようになっています。
リーフを水平に引きます。
後ほどご紹介しますが、中央の天板の裏面にはフェルトが敷かれており、リーフが滑りやすいようになっていますのでご安心ください。木の天板を引っ張るには強い力が必要なイメージがありますが、簡単にスーッと引っ張ることができます。
やさしく天板を下ろします。
ここがポイント!勢いで引っ張ってしまうと、上の天板が「ガタン」と落ちてしまいます。なので、最後まで引ききりたいところですが、我慢してください。最後は上の天板を両方の指で持ち上げぎみにして、リーフを押し出すように、そして優しく天板を下ろしてあげるイメージです。これで、天板が落ちる時の「ガタン」という衝撃が無くなります。天板や幕板(脚を接合する横材)に衝撃も与えず、やさしく使ってあげたいところです。
※反対側のリーフも同じように引き出します。こちらも同様に、中央の天板が落ちないように手を添えてあげてください。
以上、リーフを引っ張り出して、2人用だったテーブルが4人で使える広さになりました!
これで天板が広がり、座る時に脚を入れるスペースも確保!、余裕をもって4人で使うことができますね。左右のリーフは2本の横材で支えられていますが、躯体部にビス等で固定されているわけではありません。食事や読書といった使い方には十分耐えられますが、くれぐれも無理な荷重をかけないようにご注意ください。
ドローリーフテーブルの狭め方
左右のリーフの狭め方は、広げ方の逆の順序で行います。広げる時よりも更に簡単な手順です。
中央の天板を少し持ち上げます。
中央の天板は、脚部分と接合されているわけではないので、軽く持ち上げることができます。
リーフを中央の天板の下に収まるまで押します。
中央の天板の裏面にフェルトが敷かれているので、木がぶつかるような感触もなく、軽く狭めることができます。
※広げる時と同様、反対側も同じように狭めます。このような、リーフが途中半端な状態で使用してしまうと、中央の天板が外れてしまうのでご注意ください。
中央の天板の裏面にはフェルトが敷かれています。木と木を滑らせると傷がついてしまうため、間にフェルトが敷かれているんですね。伸縮できたり、滑らすためにフェルトを使ったりと、家具職人のアイデアが詰まったつくりになっています。
ドローリーフテーブルの魅力
ドローリーフテーブルは、英国やフランスといったヨーロッパで、16世紀頃から広く使われていました。当時、食事を摂るテーブルは長テーブル(リフェクトリーテーブル)が一般的でしたが、木工技術の発展に伴い、考え出されたと言われています。
19世紀の産業革命以後、英国都市部では住環境が過密となり、それまでよりも小さい家具が広く使われるようになりました。ドローリーフテーブルは、住環境の変化に伴い、狭いスペースでも有効活用できることから人気となりました。
狭いスペースを有効活用できる家具、ですので、似たような住環境の現代日本においてもオススメの家具と言えます。使う人数に合わせて伸縮できるメリットは、限りのある生活スペースを有効活用したいという方にピッタリなんです。
重厚過ぎないシンプルなデザインの多いドローリーフテーブルは、現行新品の家具とのミックスコーディネートにも取り入れやすいのが嬉しいポイントです。シンプルで大きすぎないけれど、アンティーク特有の、木の美しさを味わえるドローリーフテーブル、是非お試しください。
【ドローリーフテーブル】オーク 伸長式ダイニングテーブル/iはこちら。入荷したままの状態です。→ アンティーク家具、ヴィンテージ家具のリペア(修復)について【ドローリーフテーブル】ドローリーフテーブルとは、エクステンションテーブル(拡張式テーブル)の一種で、甲板の下に補助天板が仕舞われており、場合によって広く…
大きさを変えられるアンティークテーブルは他にもあります
実は、ドローリーフテーブル以外にも機能的なアンティーク家具がたくさんあるのをご存じでしょうか。同じように天板を伸縮することができたり、入れ子のように中に仕舞えたり、限られたスペースを有効に使うためのアイデアが詰め込まれたアンティーク家具が他にもあります。
「エクステンションテーブル」
こちらは、天板を引っ張ることで中央部分の広さを伸縮できる「エクステンションテーブル」です。ドローリーフテーブルと同じように、使う人数に合わせて広さを変えられます。
クラシック家具以外にも、ヴィンテージ家具でもみられるタイプです。ひとつのテーブルで色々な場面に対応することができ、お部屋の大きさに合わせて広げられるのが嬉しいですね。
天板を引っ張った状態の様子です。広げる分の天板が下に格納されており、別の場所に収納して、見つけられなくなってしまう心配もありません。


このテーブルの場合、天板の幅を1300mmから1890mmに広げることができます。オーバル型(長円形や楕円形の天板)なので、広げても圧迫感を感じにくいのも魅力です。
「ネストテーブル」
入れ子式の、ひと回り小さいテーブルをひと回り大きいテーブルにスライドして収納できる、小さなテーブルです。
段違いに重なって仕舞える姿は美しく、一ヵ所に収納しておけるのが魅力です。
段違いにずらして、ディスプレイテーブルとして使ったり、1段ずつをサイドテーブルとして使ったりと、使う方のイメージに合わせて幅広い使い方が可能です。デザイン性と機能性が高いネストテーブルは、ソファ周りなど、スペースが限られた住宅環境のなかで人気の高い商品です。
こちらのネストテーブルは、細身のクイーンアンレッグの英国スタイルが魅力的です。天板に型押し装飾された本革(羊革)に、ガラスがはめ込まれた贅沢な作りになっています。水の輪染みを気にすることなく、花瓶やカップを置けるのも嬉しいですよね。
【ネストテーブル】レザーにガラス天板の 収納式 3段テーブルはこちら。英国スタイルのネストテーブル。ネストテーブルは入れ子式のテーブルのことを言い、複数のテーブルが収納できるテーブルです。細身のクイーンアンレッグが特徴的です。こちらの商品は天板に型押し装飾された本革(羊革)が使用されております。また花瓶やカッ…
まとめ
人気も高く、アンティークテーブルの定番とも言えるドローリーフテーブルの使い方や特徴をご紹介いたしました。アンティーク家具のような昔に作られたものを、広げたり狭めたりするのに不安を感じていた方に、意外と簡単に使えることが伝われば幸いです。
エクステンションテーブルやネストテーブル以外にも、機能性に富んだ家具はたくさんあります。限られたスペースを有効活用したいという思いは、今も昔も同じなんですね。
現代家具でも同じような家具は多くありますが、贅沢な作りや木材の美しさといった特徴を持っているのが、アンティーク家具の魅力です。重厚で流麗なデザインに、使い勝手の良さをプラスした機能的な家具の中から、イメージ通りのアンティーク家具を探してみてください。
デザインも材質も多種多様なアンティークダイニングテーブル、実はルネッサンス期の16世紀後半になってようやく食事する目的で生まれました。
一期一会のアンティーク、団欒の中心となり部屋づくりも左右しかねない重要なアイテムです。
サイズなど実用性も考慮して素敵な一点をお選びください。