英国ヴィンテージ家具で過ごす冬

英国ヴィンテージ家具で過ごす冬

冬が深まってくると、家で過ごす時間が増えてきます。外が寒いと、外出するのも億劫になって、気づいたら週末も家にいた、なんてことがあります。それなら、せめて家の中を心地よくしたいですよね。英国ヴィンテージ家具は、そんな冬の時間を特別なものにしてくれます。

英国ヴィンテージ家具と聞くと、どんなイメージを持ちますか。重厚なアンティークとは違って、195060年代に作られた、もう少し軽やかなデザインの家具です。北欧家具の影響を受けつつ、イギリスらしい実用性も兼ね備えています。正直、最初は「ヴィンテージって、手入れが大変そう」と思っていたんですが、実際に使ってみると、むしろ現代の家具より使いやすかったりします。丈夫で、味があって、長く使える。そういう良さがあるんです。

英国ヴィンテージが冬に合う理由

なぜ英国ヴィンテージ家具が冬に合うのか。それは、素材の温かみと、長い時間を経てきた佇まいにあると思います。チーク材やエルム材の深い色味は、冬の部屋に落ち着きを与えてくれます。新品の家具だと、どうしても「今」の空気感が強すぎて、冬の静かな雰囲気と合わないことがあります。でもヴィンテージは、すでに何十年も使われてきた家具です。その包容力というか、どんな季節にも自然に馴染む感じがあります。

それに、英国の冬って、日本と似ているんですよね。寒くて、暗くて、外に出たくない。そういう冬を快適に過ごすために作られた家具だからこそ、日本の冬にも合うんだと思います。実用性を重視して作られているので、見た目だけじゃなくて、使い心地もいい。座り心地、収納力、耐久性。そういう地味なところが、しっかりしています。

G-Planが作る冬の空間

G-Planは、英国ヴィンテージ家具を代表するブランドです。1950〜70年代にかけて人気を博したメーカーで、チーク材を使ったサイドボードやダイニングテーブルが有名です。シンプルで機能的なデザインが特徴で、今見ても古臭く感じません。

G-Planのサイドボードは、冬の部屋に欠かせないアイテムです。収納としての実用性はもちろんですが、上に小物を飾る場所としても活躍します。キャンドルを数本並べたり、小さな観葉植物を置いたり、お気に入りの器を飾ったり。サイドボードの上が、自分だけの冬の風景を作る場所になります。

チーク材の飴色の質感が、冬の柔らかい光を受けて、いい表情を見せてくれます。照明を落とした部屋で、キャンドルの灯りがチーク材に反射する。その温かみが、冬の夜にぴったり合うんです。新品の家具だと、ピカピカしすぎていて、かえって落ち着かないことがあります。でもG-Planのような経年変化した家具は、光を柔らかく受け止めてくれます。

ダイニングテーブルもG-Planのものはおすすめです。冬は、温かいものを食べながら、ゆっくり時間を過ごしたくなります。シチューやスープを食べながら、ワインを飲みながら、気づいたら何時間もテーブルに座っている。そんなとき、テーブルが良いものだと、気分が全然違います。G-Planのテーブルは、シンプルで飽きのこないデザインですし、チーク材の温かみが、冬の食卓を豊かにしてくれます。

アーコールの椅子で過ごす時間

アーコールは、1920年創業の老舗家具メーカーです。ウィンザーチェアをモダンにアレンジしたデザインが特徴で、背もたれの細い棒(スピンドル)が並んだ椅子は、一度見たら忘れられません。軽くて丈夫で、座り心地もいい。冬の部屋に、ぴったりの椅子です。

アーコールの椅子の良さは、長時間座っても疲れにくいことです。背もたれが適度にしなって、体を包み込むような感覚があります。冬は、家で座っている時間が長くなります。本を読んだり、パソコンを使ったり、ぼんやりしたり。そんなとき、椅子の座り心地が大事になってきます。

冬の午後、アーコールの椅子に座って、膝にブランケットをかけて、本を読む。窓の外は寒いけれど、部屋の中は温かい。そういう時間が、冬の贅沢だと思います。経年変化で飴色になったエルム材の質感が、触れるたびに温かみを感じさせてくれます。

そういえば、友人が最近アーコールの椅子を買ったんですが、「座り心地が全然違う」と驚いていました。今まで使っていた椅子は、見た目はおしゃれでも、長時間座るとお尻が痛くなっていたそうです。でもアーコールは、何時間座っていても疲れない。実用性って、こういうことなんですよね。

ネイサンとマッキントッシュの魅力

G-Planやアーコールと並んで、ネイサンやマッキントッシュといったブランドも、英国ヴィンテージ家具の魅力を語る上で欠かせません。どちらもチーク材を使った良質な家具を作っていて、G-Planと同じような丁寧な作りと温かみがあります。

ネイサンの家具は、G-planよりも少し控えめなデザインです。派手さはないけれど、飽きのこない落ち着いた印象です。サイドボードやチェストは、収納力もしっかりあって、実用的です。冬物の衣類や、使わない食器を入れておくのに便利です。それに、上に小物を飾れるので、冬の部屋作りにも活躍します。落ち着いたデザインが好きな人には、むしろネイサンの方が合うかもしれません。

マッキントッシュは、チーク材の美しい木目を活かした家具で知られています。特にサイドボードやキャビネットの評価が高いです。デザインは比較的シンプルですが、木材の質が良く、丁寧な仕上げです。木目の美しさを前面に出したデザインなので、シンプルな部屋によく映えます。

これらのブランドに共通しているのは、実用性とデザイン性のバランスです。北欧家具と同じように洗練されていて、しかもイギリスらしい実用性も兼ね備えています。毎日使っても邪魔にならない。そういう地味な良さが、英国ヴィンテージ家具の魅力なんです。

照明が作る冬の夜

冬の夕方、16時を過ぎると、もう薄暗くなってきます。そんなとき、天井の蛍光灯をパッと点けると、確かに明るくはなります。でも、何だか味気ないんですよね。冬の夜は、もう少し柔らかい光で過ごしたいです。

間接照明を複数使って、部屋全体を柔らかく照らす。これが、冬の照明の基本です。G-Planのサイドボードの上にテーブルランプを置いたり、アーコールの椅子の横にフロアランプを置いたり。いくつかの光源を組み合わせることで、部屋に奥行きが生まれます。

ヴィンテージ家具の木の質感が、柔らかい光を受けて、いい表情を見せてくれます。昼間の明るい光だと、傷や色褪せが目立つこともあります。「これ、買って失敗したかな」と思うことも、正直あります。でも、夜の柔らかい光の下では、その傷さえも味わいに見えてくるんです。何十年も使われてきた家具が、同じように冬の夜を照らしていたんだろうな、と想像すると、何だか感慨深い気持ちになります。

キャンドルを灯すのもおすすめです。G-Planのサイドボードの上に、キャンドルを数本並べる。揺らぐ光が、チーク材の木目を浮かび上がらせて、部屋全体が温かく見えます。正直、火の管理は面倒ですし、安全面も気になります。そういう人には、LEDキャンドルもあります。でも、たまには本物のキャンドルを灯すのも、悪くありません。その手間も含めて、冬の楽しみなんでしょうね。

冬の食卓

冬は、温かいものが食べたくなります。シチューやスープを、大きなボウルに盛って、G-Planのダイニングテーブルで食べる。パンを添えて、温かいお茶を淹れて。それだけで、十分なご馳走です。

英国ヴィンテージ家具は、食卓をより豊かにしてくれます。チーク材の温かい色味が、料理を美味しそうに見せてくれます。それに、テーブルの質感が良いので、食事の時間がゆっくり感じられます。急いで食べるんじゃなくて、味わって食べる。会話を楽しむ。そういう時間の使い方が、冬の暮らしを豊かにしてくれます。

アーコールの椅子に座って、ゆっくり食事をする。長時間座っていても疲れないので、食後もそのままテーブルに座って、コーヒーを飲みながら話が弾みます。冬の夜は長いですから、こういう時間を大切にしたいですよね。

長く使える喜び

英国ヴィンテージ家具の良さは、長く使えることです。すでに50年以上使われてきたものが、今も現役で使えています。それだけ丈夫だということです。これからも、きっと長く使えるでしょう。

冬が来るたびに、同じ家具に囲まれて過ごす。毎年、少しずつ味が出てくる。傷も増えるかもしれませんが、それも含めて愛着が湧いてきます。新品の家具だと、傷がつくと「失敗した」と思ってしまいます。でもヴィンテージは、最初から傷があるので、新しい傷が増えても気になりません。むしろ、自分が使った証として、受け入れられます。

G-Planのサイドボード、アーコールの椅子、ネイサンのチェスト。どれも、一生使える家具です。冬の部屋に温かみを与えて、ゆっくりとした時間を過ごす場所を作ってくれます。外が寒いからこそ、家の中が温かく感じられます。暗い季節だからこそ、木の温かみがわかります。冬には冬の良さがある。そう思えるようになると、この季節も悪くないと思えてきます。理屈じゃなくて、何となく心地いい。そういう感覚を大切にしたいですね。